喜 哀楽の考え方

私(喜 哀楽)の考えていることを、できるだけわかりやすく書いていきます。

『性善説』と『性悪説』と『隙』の話

性善説』と『性悪説』の考え方があります。
人間は生まれつきは『善』であるという『性善説』。
犯罪を犯すとかルールを守らないなど必ず悪いことをするわけではないが、人間は生まれつきは弱い存在である『悪』であり、誰でも悪いことをする可能性があるという『性悪説』。
二つの考え方があります。

性悪説』、『性善説』共に正しくないと私は思います。
何故なら、善悪の判断自体が強いと『善』、弱いと『悪』。
民主主義の世の中では大多数だと『善』、少数だと『悪』といわれているに過ぎません。

人を殺すことは『悪』だとされるのが先進国での一般常識ですが、戦時であれば人を殺すことは栄誉でもあります。人の物を盗るのは良くないとするのが先進国の一般常識ですが、盗られる隙を見せた盗まれた人が悪い。警察に訴えても、警官の仕事を作ったお前が悪いと言わんばかりの対応をされることもあるそうです。

一つの行動をとっても解釈次第でいくらでも変わってしまいます。
解釈によってどうとでも変わることを生まれつき『善』だとか『悪』だとか決め付けることに『意味』はありません。

人が嫌な思いをすることを感じ取ることが出来る人は、人が嫌な思いをするだろうと予測できる盗みなどはしないだけのことです。人の嫌な思いに対する感受性が乏しい人は、全く気にせず嘘もつけますし盗みもできます。
それだけのことです。

自然界を見てみましょう。
そもそも『善』・『悪』なんて概念がありません。食べるか食べられるか無関係かのどれかでしかありません。食べた方が勝ち、食べられた方が負けて生が終わるだけです。そんな食べ方してずるい。そんなやり方は卑怯だなんてことはありません。そもそも食べられた方は胃袋の中です。
アンコウのメスは疑似餌のような突起をちらつかせて餌と間違えてよってきた魚を食べてしまいます。餌でおびき寄せて騙して食べてしまうとは詐欺みたいなものですが、アンコウが酷いと責められたというのは聞いたことがありません。ただ生きているだけです。
アンコウを責めても始まりませんし、食べられた小魚を哀れんでも『意味』がありません。むしろ見方によってはアンコウは賢いという評価もできるかもしれません。

もっと別な視点から考えてみましょう
『害虫』と『益虫』の違いは?
ゴキブリ・ハエや蚊など人間に害をなせば『害虫』であり、ミツバチのように役に立てば『益虫』と呼ばれます。
では『腐敗』と『発酵』の違いは?
同じ細菌の活動ですが、食べ物にカビが生えたり腐らせて食べられなくするような人間に害をなす働きは『腐敗』と呼ばれ、お酒や味噌・パンの製造など人間に役立つ細菌の活動を『発酵』
と呼んでいます。
つまり人間に都合がよいか悪いかだけで判断されています。
人類から見た視点で考えると、きれに分かれます。『害虫』と『益虫』、『腐敗』と『発酵』のように。
しかし人類の中で見ると、様々な考え方や感じ方の人がいます。ですから一概に『善』・『悪』と判断することができないのです。力が支配する世界では、力の強いものが『善』、弱いものが『悪』となります。(勝てば官軍という言葉どおりです)。民主主義の世の中では、数が多い方が『善』、少ない方が『悪』とされているだけのことです。

盗みは犯罪ですから当然やってはいけません。
しかし盗む隙があれば盗みたくなる心があるのもまた人間なのです。ばれないならいいじゃん!という心理がどうしても浮かんでしまうようです。ただし行動にうつすかどうかは人の倫理観にゆだねられます。
だから盗まれる隙をなくすか少なくとも減らすために、防犯カメラで監視したりするのです。
絶対万引きをなくすとすれば、盗まれる隙をなくす。そう商品の陳列をやめてしまうことです。そうすれば万引きのやりようがありません。
一つの正解は全て通販にすることかもしれません。もう一つの正解はお店のカウンターでタッチパネルで注文し、代金を支払い倉庫から出してきた商品を受け取るというものです。
商品を手に取る隙をなくしてしまうことです。(既にiTuneのカードやアマゾンのカードはコンビニでこの方式になっています)
設備投資もかかるので、比較的治安の良い日本ではそこまで思い切ったことをしなくても、何とかお店として維持できています。
あくまでも『今のところ』です。
となれば利便性・管理コストとの兼ね合いで妥当なところを探すだけです。

性善説』や『性悪説』なんて考え方は『意味』がないと私は思います。
『隙』をなくすこと。私はこれにつきると思います。
『隙』を放置したままにしているのは、別の視点から考えれば『隙』があるのは盗む余地を残したまま出来心を誘発する『罠』を仕掛けているようなものです。
盗ろうか盗るまいか出来心で揺れ動く人を犯罪者にする余地をなくすためにも、様々な分野に潜む『隙』を無くせるといいですね。